大分合同新聞(2006年1月29日)に掲載されました |
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健康のための努力を僕はいつもしているよ。 だって自分が元気で健康でなきゃ、人を治せないだろう? |
ブラジル生まれのブラジル育ち、1/4だけ日本人。ギターもサルサダンスもバツグンに上手なマルコスさんは、意外にも推拿(すいな)整体の整体師。はるか地球の裏側サンパウロから、何の縁もなかった大分に来て8年目。 日夜、疲れた人たちの足や腰を揉んで治療するマルコス先生って、どんな人? |
◇日本に来たのも、整体師になったのも、大分に来たのも直感に従っただけなんだ |
なぜだろう? 自分でもよくわからないけど、子供のころからマッサージや整体に興味があったんだ。友達と将来何になりたい?って話の時も、手を使ってやるマッサージをしたいって自然と口から出てた。15年前はブラジルに整体師なんていなかったし、そんな仕事も知らなかったのにね。たった、一度だけ日系の友人のお父さんがやっているのを見ただけだと思う。 けど、19歳で初めて日本に来たのは整体師になりたかったからじゃない。親元を離れて自立して外国で仕事をしてみたかっただけ。滋賀、大阪、東京のいろんな所で働きながら日本語も少しずつ覚えていった。 そして、東京にいたころ、たまたま見た新聞で足ツボ学校の広告を見つけたんだ。忘れかけていた夢を思い出した。迷わず仕事を辞めて学校に行ったよ。学校に行きながら自分はこの仕事をしたかったと、やっと気付いたんだ。
大分との出会いはね、学校の理事長の診療所で助手をしていたころ、アサヒ温泉で足ツボをしないかって誘われたんだ。「オオイタケンてどこだ?」って地図を広げて探したよ(笑) 南だったから暖かいかなって思ったけど、まだ自信がないから迷った。最初は3ヶ月ぐらいのつもりだったけど、一度大分に来たらここがすっかり気に入ってしまったんだよ。 そんなカンジは何て言う?直感?そう、いつもその直感、フィーリングに従ってるんだ。
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◇うちの両親はガンで死んだ。ガン体質の家系を僕の代で止めたいと思っているんだ |
アサヒ温泉時代はとてもいい勉強になったよ。技術もだけど接客が特にね。 「いらっしゃいませ」「ようこそ」「ありがとうございました」日本のサービスはスゴイね。ブラジルにはない接客言葉を自分から言って慣れていったよ。 30歳ぐらいに独立したかったので社長に相談したらいいよって応援してくれた。社長はとても優しくいい人で本当に感謝しているんだ。
「マルコス中国式」を開いて温泉時代とは客層が変わったね。若い人がよく来る。みんな疲れているね。足を触ってみたらよくわかるよ。冷たいし、触ると痛がるし。疲れはためるんじゃなくて取るもの。それをためてしまうと病気になるよ。僕自身も健康には気を遣ってる。だって僕が心も体も元気で健康でなきゃ、人を治せないだろう。
食べ物も大切だよ。玄米、ソバ、野菜ジュースを作って食べたりしている。疲れの元である腎臓には黒い物がいいんだ。ひじき、黒豆、ワカメとか…ね。 気分転換も必要だね。僕は月に1回はサルサダンスを踊りに行ったり、一人でギターをひいたり、ポルトガル語を教えたりして気分を変えている。
なんで、こうも健康にこだわるかっていうとね。僕の家系はガン体質なんだ。お母さんは僕が6歳の時に亡くなり、父は6年前にガンで亡くなった。 僕はガンで死にたくない。両親の体質を引き継がないために、僕の代でそれを止めたいんだ。僕の治療でお客さんが元気になっていく姿を見るのはうれしいね。 この仕事を選んでよかったと思えるし、僕も元気になってくるからね。 |